岩手大学工学部 研究室訪問 Lab.Navi《ラボナビ》

岩手大学 工学部・大学院工学研究科

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トラック車両を用いた実橋載荷試験では、20トントラックを橋の上で静止させたり走らせたりしてひずみや各部位にかかる力などを測定する。
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岩手県のような積雪寒冷地にある橋梁では、鉄筋コンクリート床版の砂利化も問題となっている。
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実橋載荷試験の測定によって得たデータを汎用プログラムによって解析。たわみの状況を明らかにする。

実際に診断を重ねる中で、新たに見えてきたことはありますか?

 実際に橋梁を診断・解析して気付いたのは、構造計算からは予想しにくい、さまざまな自然的要因や想定外の力がかかっているということです。岩手県のような積雪寒冷地では、冬場に凍結防止のために融雪剤を路面に散布します。塩害で傷んだコンクリートに雨や雪がしみ込み、それが凍結してコンクリート内部にヒビが入るといった現象があちこちで確認されました。これは目視だけでは見つけにくく、目に見えたときには手遅れという、まさに「橋梁のがん」。これをいち早く見つける検査方法の確立が今の研究課題です。
 他にも、寒暖の差で橋梁が伸縮し、それが支承(ししょう)などの部位に大きな負荷をかけ、劣化損傷の原因になっていることがわかってきました。日本は地震大国ですから、地震による想定外の負荷も考慮しなければなりませんし…。
 このように、実地調査を重ねることで、これまでの安全基準の常識が覆されるような調査結果が次々と出てきました。さらに多くのデータを収集・解析し、検査方法や補修方法、さらには設計方法などにどう反映させていくかも今後の研究課題の一つです。

岩崎 正二 教授

コンピュータによるシミュレーションには限界があるということですか?

 シミュレーションから実際の試験データの解析まで、コンピュータで計算を行いますが、実橋載荷試験のデータを見ると、やはり計算では出ないような値が計測されていたりします。その原因を探らなければなりません。計算と実験でまったく違う結果が出る、その説明をつけるためにも、仮説を立てて丹念に研究を重ねていく必要がありますね。
 そうした研究をとおしてあらかじめ実測値に近い解析ができるようになれば、無駄のない実験ができることにもつながりますから。

先生の研究は、社会が求める"安全"というニーズに直結していますね。

 そのとおりです。実際これらの研究は、自治体から依頼されたり自治体と組んで共同で行うことがほとんどです。私たちが持っている研究データを元に、地域特性を考慮した橋梁建設や保全のシステム作りについて提案・アドバイスすることをとおして、社会に貢献していきたいと思います。

岩崎 正二 教授

研究室の学生たちは、卒業後どのような進路に進みますか?

 当研究室の強みは、実橋載荷試験などのフィールドワーク。実験を通して施工管理など現場作業をトータル的に経験できるので、卒業後の就職についても企業側から実践力として歓迎されます。
 専門性を生かして設計や長寿命化計画を立てるようなコンサルへの道を考え、院に進む学生も多いですよ。学生時代の経験を生かし、土木関係の仕事を中心に幅広く活躍しています。
 調査・実験は特に寒い日・暑い日など橋梁に最も負荷がかかるような過酷な環境下での作業ですし、実験後はデータ解析のため数ヶ月間研究室にこもっての作業が控えています。そのためにも、毎日の健康管理は重要ですね。

岩崎 正二 教授
応用化学・生命工学科
生理工学研究室
一ノ瀬 充行 教授
大石研究室
大石 好行 教授
八代研究室
八代 仁 教授
有機合成化学研究室
嶋田 和明 教授
マテリアル工学科
藤代研究室
藤代 博之 教授
平塚研究室
平塚 貞人 教授
山口(勉)研究室
山口 勉功 教授
吉本研究室
吉本 則之 教授
菊池研究室
菊池 弘昭 准教授
吉澤・中西研究室
中西 良樹 准教授
電気電子・情報システム工学科
高木研究室
高木 浩一 教授
今野研究室
今野 晃市 教授
西館研究室
西館 数芽 教授
本間研究室
本間 尚樹 准教授
機械システム工学科
船﨑研究室
船﨑 健一 教授
佐藤研究室
佐藤 淳 准教授
水野研究室
水野 雅裕 教授
柳岡研究室
柳岡 英樹 教授
小野寺研究室
小野寺 英輝 准教授
熱工学研究室
廣瀬 宏一 教授
社会環境工学科
福祉支援工学研究室
大川井 宏明 教授
構造工学研究室
岩崎 正二 教授
環境システム工学研究室
中澤 廣 教授
環境衛生工学研究室
海田 輝之 教授
都市計画学研究室
南 正昭 教授