岩手大学工学部 研究室訪問 Lab.Navi《ラボナビ》

岩手大学 工学部・大学院工学研究科

中西 良樹 准教授Yoshiki Nakanishi

理学博士。2001年東北大学理学研究科物理学博士課程修了。2001年より助手として勤務。助教を経て、2007年から准教授に就任。

中西 良樹 准教授
研究室イメージ

こちらの研究室で取り組まれている
テーマを教えてください。

 我々の身の回りには約1000万種類以上もの物質が溢れていると言われております。その違いを分類していくには物質のもつ特性に着目し、整理することが重要になります。その物質がもつ特性は大きく「伝導性」、「磁性」、「光学特性」、「熱特性」そして「弾性特性」に分けることが出来ます。この特性(これを物性と呼ぶ)を決定づけている立役者が素粒子の一つ"電子"です。したがって、多種多様な物質の特性を「統一的に理解する」とは、「物質中の電子状態を知る」ことに帰着します。
 本研究室では、この物質の特性を決定している「物質中の電子状態を明らかにする」ことを基本テーマとしています。これは裏を返せば、「どのような特性を有した物質が欲しいか(必要か)?」ということにもなります。電子の特性を理解することで、これまでにない特徴(物性)をもった特殊機能材料の設計にも繫がります。

中西 良樹 准教授

電子はどのような特性を持っている
のでしょうか?

 電子は、1897年にイギリス人物理学者、J.J.トムソン卿により発見されました。電子自身の特徴は、電子は「電荷」をもっていること、および自身が「磁石」であることです。たったこの2つの特性(自由度)しかもっていません。もうひとつは、あまり知られていないのですが、電子自身の特徴を発揮出来る環境です。我々人間と違って、大気中で電子は粒子と衝突し、殆ど運動することが出来ません。彼らが本来の姿で運動出来るのは真空中と固体中です。特に後者については、金属物質がその最たる例です。固体中で電子が自由に動ける物質が、綺麗な光沢をみせる金属です。この電子がもつ最も興味深い(注目すべき)特徴は、集団になると1電子では生じなかった性質(特性)が出現することです。電子間相互作用(クーロン力、交換相互作用)が無視出来なく強くなると、その集団電子がみせる表情が極めて重要になります。物質の個性的な特徴・特性(「伝導性」、「磁性」、「光学特性」、「熱特性」、「弾性特性」)はこの電子集団が決めています。物質の硬さ軟らかさ、電気の流れやすさ、磁石のなりやすさ、物質の彩色等がその表情に対応します。

中西 良樹 准教授

これを電子の多体問題と言いますが、電子の世界は我々人間社会に類似するところが多くあります。集団心理がはたらく人間の集団行動はまさにこの電子の集団現象に対応します。人間が絡むという側面では経済現象も類似していると言えるでしょう。電子の集団現象の一つに超伝導現象があります。電子が一斉にある状態へと落ち込む現象です。この状態になると、電子は抵抗を全く感じずに結晶中を動き回ります。電気抵抗ゼロの状態が実現します。これは電子1個では決して生じない現象です。このように、電子を取り巻く環境を変化させることで多種多様な集団電子の表情を出すことが出来ます。この集団である状態に一斉に移り変わることを「相転移」と言います。人間社会の中で負の最たる相転移は「戦争」です。これも人間の集団心理が引き起こす集団行動の一つの側面です。また経済では「大恐慌」が相転移の例として挙げられます。マイナス面ばかり述べましたが、人間が力を合わせて「困難・難局を乗り越える」には、人間の間に「絆」、「つながり」という名の相互作用を強くはたらかせ、こうした人間の相転移が必要なのかも知れません。また、小さいスケールの話では、恋愛がまさに、この相転移に対応すると思います。

中西 良樹 准教授
応用化学・生命工学科
生理工学研究室
一ノ瀬 充行 教授
大石研究室
大石 好行 教授
八代研究室
八代 仁 教授
有機合成化学研究室
嶋田 和明 教授
マテリアル工学科
藤代研究室
藤代 博之 教授
平塚研究室
平塚 貞人 教授
山口(勉)研究室
山口 勉功 教授
吉本研究室
吉本 則之 教授
菊池研究室
菊池 弘昭 准教授
吉澤・中西研究室
中西 良樹 准教授
電気電子・情報システム工学科
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今野研究室
今野 晃市 教授
西館研究室
西館 数芽 教授
本間研究室
本間 尚樹 准教授
機械システム工学科
船﨑研究室
船﨑 健一 教授
佐藤研究室
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小野寺 英輝 准教授
熱工学研究室
廣瀬 宏一 教授
社会環境工学科
福祉支援工学研究室
大川井 宏明 教授
構造工学研究室
岩崎 正二 教授
環境システム工学研究室
中澤 廣 教授
環境衛生工学研究室
海田 輝之 教授
都市計画学研究室
南 正昭 教授