岩手大学工学部 研究室訪問 Lab.Navi《ラボナビ》

岩手大学 工学部・大学院工学研究科

大石 好行 教授Yoshiyuki Oishi

工学博士。1984年山形大学大学院工学研究科修士課程修了。1987年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程を修了後、東京工業大学工学部有機材料工学科助手に。1990年から岩手大学工学部助手。講師、助教授を経て、2006年から教授に就任、現在に至る。

大石 好行 教授
研究室イメージ

先生が取り組まれている「高分子化学」というのは、どんな研究分野なのでしょう?

 「高分子化学」という研究分野は非常に広範囲で、大きく分けると、タンパク質やセルロースなどといった「生体高分子」と、プラスチックや合成繊維といった「人工高分子」の2分野になります。その中で私が対象としているのは人工高分子、とりわけ、機能性の高い新しい樹脂素材・合成方法の研究開発という分野です。
 日本にはパソコンや携帯電話など半導体・電子機器分野の企業が非常に多いですから、絶縁フィルムなどの電子材料系の素材、光の屈折など光に反応する機能を持った素材、また特に宇宙航空分野で必要とされる軽量で耐熱性のある素材といった新しい機能性素材について研究しています。
 手がけている研究のほとんどは、企業との共同研究。企業から素材の依頼があり、私たち大学の研究室では化学構造や配合率などを研究し、それを元に企業が試作して製品化していくというのが大まかな流れです。

大石 好行 教授

具体的にはどんな研究に取り組んでいるのですか?

 ひとつは、高屈折率の有機材料の研究です。従来、光の屈折を利用した製品、例えばメガネやカメラのレンズのようなものは、屈折率を変えるために、硫黄やハロゲン(臭素や塩素)、無機の酸化物などを配合していました。しかし、硫黄は時間経過と共に黄色くなったり、ハロゲンは環境問題から使用がむずかしくなったり、無機の酸化物は均一に混ざらず性能にムラが出たりという欠点があったのです。こうした欠点を解消し、水素や酸素、窒素、炭素といった元素から新しい樹脂(有機材料)を作ろうというのが、高屈折率材料の研究です。この高屈折率は、レンズを薄くしたり反射防止膜といった用途への利用が期待されています。
 また、デジカメやパソコンなどの機器に使われるフレキシブルプリント配線基盤の研究では、より耐熱性のある精密加工に向いた基盤専用の接着樹脂の開発に向け、研究を進めています。

大石 好行 教授

今後はどのような形で研究を展開していきたいとお考えですか?

 最大のテーマは、高機能・低環境負荷型の合成樹脂の研究・開発です。
 まずは、ハロゲンフリーの合成方法・樹脂の開発。腐食の原因となる塩素や臭素といったハロゲンは、どうしても嫌われます。いかにハロゲンを使わず合成するか、ハロゲンの入っていないプラスチックを開発するのが課題です。また生分解性のプラスチックの研究も進めています。すでに生分解性のプラスチックは現存し製品化もされてはいますが、今後はさらに高機能なものが求められます。
 プラスチックを始め、化学製品の原料は石油です。しかし石油は限りある資源ですから、その代替として、例えば炭素や水素、窒素、酸素などを原料として樹脂を作るという研究が進められています。
 一般的に、プラスチックは環境に悪いというイメージがあります。しかしそれは大量生産・大量消費されるからであり、環境保全にはリサイクルや再利用が不可欠です。機能性を追求した少量生産のプラスチックは環境への影響はなく、むしろ無限の可能性を秘めた非常に有効な素材なのです。

大石 好行 教授
応用化学・生命工学科
生理工学研究室
一ノ瀬 充行 教授
大石研究室
大石 好行 教授
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八代 仁 教授
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嶋田 和明 教授
マテリアル工学科
藤代研究室
藤代 博之 教授
平塚研究室
平塚 貞人 教授
山口(勉)研究室
山口 勉功 教授
吉本研究室
吉本 則之 教授
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吉澤・中西研究室
中西 良樹 准教授
電気電子・情報システム工学科
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高木 浩一 教授
今野研究室
今野 晃市 教授
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西館 数芽 教授
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本間 尚樹 准教授
機械システム工学科
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船﨑 健一 教授
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佐藤 淳 准教授
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柳岡 英樹 教授
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小野寺 英輝 准教授
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廣瀬 宏一 教授
社会環境工学科
福祉支援工学研究室
大川井 宏明 教授
構造工学研究室
岩崎 正二 教授
環境システム工学研究室
中澤 廣 教授
環境衛生工学研究室
海田 輝之 教授
都市計画学研究室
南 正昭 教授