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岩手大学 工学部・大学院工学研究科

山口 勉功 教授Katsunori Yamaguchi

工学博士。1989年東北大学大学院工学研究科修士課程修了。東北大学助手を経て1990年から岩手大学工学部助手に。助教授を経て、2007年から教授に就任、現在に至る。1999年から2000年にかけてアーヘン工科大学(ドイツ)の研究員、2005年から2009 年にかけて東京大学生産技術研究所の研究員に。2009年からは同研究所の客員教授。

山口 勉功 教授
研究室イメージ

先生の研究のキーワードの一つに「都市鉱山」という言葉が掲げられていますが。

 家電や電子機器、自動車といった廃棄物には、いわゆるレアメタルも含め、様々な金属が含まれています。捨ててしまえばただの廃棄物ですが、そこから金属を回収する技術を確立できれば、それはまさに都市に眠る鉱山となるわけです。これは、資源小国の日本にとって、とても大きな魅力がある。いま取り組んでいる研究テーマのひとつに、プラチナ・パラジウム・ロジウムといった白金族金属の回収技術に関する研究がありますが、これら白金族金属は南アフリカやロシアでほぼ90%が産出されています。
 もし、そうした国々からの輸入がストップしたら、日本の産業は立ち行かなくなってしまうわけです。その一方で、少なくない白金族金属が廃棄物として捨てられているという現実がある。何とか回収して再利用する手立てはないのか、という問題意識から、私の研究はスタートしています。

山口 勉功 教授

白金族金属はどんな産業にどんな形で使われているのですか?

 代表的なのは自動車産業です。白金族金属は主に自動車の排ガス浄化用の触媒として使われており、排ガスを無害化するうえで欠かせない存在です。
 自動車1台の排ガス浄化触媒に使われている白金族金属は3〜5gですが、装飾品にも使用されるプラチナの価格は現在1g約5,000円、ロジウムは1g約6,000円もします。
 つまり、この触媒の中に約2〜3万円分の金属が眠っていることになるのです。この研究は、リサイクルを手掛ける非鉄金属の大手企業などと共同で進めていますが、高価な金属だからこそ、ビジネスとしても十分に成り立つという側面もあるのです。
 自動車の需要は新興国を中心に伸び続けていますし、実用化が急がれている燃料電池の場合には、1台あたり最低10g程度の白金族金属が必要といわれています。将来、世界を巻き込む形で白金族金属を奪い合うという事態も想定されるだけに、今後さらに注目される研究分野といえるのではないでしょうか。

山口 勉功 教授

具体的にはどんな研究に
取り組んでいるのでしょう。

 自動車の排ガス浄化触媒から白金族金属を回収する方法には乾式製錬法と湿式製錬法があります。乾式製錬法は生産性に優れていますが、高温で物質を溶融することが必要で、そのプロセスの研究に取り組んでいます。排ガス浄化触媒の本体はアルミナ製であり、一般には2,000℃まで温度を上げないと溶けないのですが、フラックス(溶剤)を用いることで、1,400〜1,500℃で溶融するようになります。より低い温度で溶融することができればコストの削減だけでなく、地球環境にも優しいわけで、様々なフラックスを試しながら、いかに溶融温度を下げるかという研究をしています。
 また、リサイクルにおいて回収率は大変重要です。いかにして白金族金属の回収率をさらに向上させることができるかという研究にも取り組んでいます。

山口 勉功 教授
応用化学・生命工学科
生理工学研究室
一ノ瀬 充行 教授
大石研究室
大石 好行 教授
八代研究室
八代 仁 教授
有機合成化学研究室
嶋田 和明 教授
マテリアル工学科
藤代研究室
藤代 博之 教授
平塚研究室
平塚 貞人 教授
山口(勉)研究室
山口 勉功 教授
吉本研究室
吉本 則之 教授
菊池研究室
菊池 弘昭 准教授
吉澤・中西研究室
中西 良樹 准教授
電気電子・情報システム工学科
高木研究室
高木 浩一 教授
今野研究室
今野 晃市 教授
西館研究室
西館 数芽 教授
本間研究室
本間 尚樹 准教授
機械システム工学科
船﨑研究室
船﨑 健一 教授
佐藤研究室
佐藤 淳 准教授
水野研究室
水野 雅裕 教授
柳岡研究室
柳岡 英樹 教授
小野寺研究室
小野寺 英輝 准教授
熱工学研究室
廣瀬 宏一 教授
社会環境工学科
福祉支援工学研究室
大川井 宏明 教授
構造工学研究室
岩崎 正二 教授
環境システム工学研究室
中澤 廣 教授
環境衛生工学研究室
海田 輝之 教授
都市計画学研究室
南 正昭 教授