(13)岩山「啄木詩の道」の歌碑
岩山啄木望郷の丘に啄木生誕111年を記念して平成9年(1997)に「啄木詩の道」がつくられた。道の長さは200mほどあり、その散歩道に歌碑10碑が設置されています。
                          




啄木詩の道

                               

歌碑


岩手山(平成23年1月2日)


何となく
今年はよい事あるごとし
元旦の朝晴れて風無し



平成23年盛岡の元日の朝は「くもり積雪40cm」、2日の朝は「晴れて風無し」でした。皆さんの地区はいかがでしたでしょうか。
この歌は啄木歌ノート「一握の砂以後」(明治43年11月末より)にあり、「悲しき玩具」に掲載されています。
お正月といえば啄木は亡くなる明治45年に函館の友人岩崎正宛の賀状の中で啄木最後の短歌とみられる歌を詠んでいる。
「今も猶やまひ癒えずと告げてやる文さへ書かず深きかなしみに」





友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
花を買ひ来て
妻としたしむ



この歌は啄木歌ノート(明治43年10月13日)にあり、一握の砂「我を愛する歌」に掲載されました。「友」とは、金田一京助、野村胡堂さん達を指すのでしょうかね




ふるさとの 山に向ひて
言ふことなし
ふるさとの山は ありがたきかな



この歌は、啄木歌ノート(明治43年8月28日)にある歌で、一握の砂「煙二」に掲載されています。啄木はいつも故郷を懐かしく思い、「ふるさと・・・」と詠んだ歌は30首ほどあります。


他に、次の歌碑が建てられている。
不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸はれし 十五の心
ふるさとの訛なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく
盛岡の中学校の 露台の 欄干に最一度我を倚らしめ
ほたる狩 川にゆかむといふ我を 山路にさそふ人にてありき
岩手山 秋はふもとの三方の 野に満つる虫を何と聴くらむ
それとなく郷里のことなど語り出でて秋の夜に焼く餅のにほひかな
わが恋をはじめて友にうち明けし夜のことなど思い出づる日









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